ランドセルの素材のなかでも、とくに高級なのがコードバン。
一生に一度のランドセルですから、子どもにも本物のカバンを持たせてあげたい、と考える親御さんも多いのではないでしょうか。
最上級のランドセルを選ぶなら絶対コードバン、というイメージも強いですが、コードバンはどのような素材なのかよくわからない、という人もいるかもしれませんね。
ここでは最上級のランドセルの素材・コードバンについて詳しくご紹介します。
納得してコードバンのランドセルを選べるように、メリットやデメリット、コードバンがおすすめのランドセルブランドも併せてご紹介するので、ぜひ参考にしてくださいね。
目次
コードバンランドセルの特徴を解説。人工皮革・牛革との違いは?
ランドセルは外側から見ただけではどの素材を使っているのかはわかりにくいですが、コードバン、牛革、人工皮革それぞれどのような違いがあるのか気になるところです。
この3つの素材の違いについて知っておけば、コードバンのランドセルの良さをより実感できるはずですよ。
コードバン
コードバンはその希少価値や上品な輝きから「革のダイヤモンド」と呼ばれることもあり、価格はほかの素材に比べてやや高いのも特徴のひとつ。
密度がしっかりしていて厚みがあり、耐久性に非常に優れています。
ランドセルがこすれても傷がつきにくく、たとえ傷がついてもなじむので目立ちにくいのも魅力ですね。
もうひとつの特徴はツヤ感や肌触りの良さ。
素材に触れた時のしっとりと吸いつくような肌触りは、ほかの素材では味わえないほどの高級感を実感できるはず。
使い込むほどに味わいが増し、体にフィットしてくるのも、コードバンの特徴といえるでしょう。
ひと昔前のコードバンは、耐水性に劣る素材として認識されていましたが、最近は技術の進歩により、防水加工が施されるなど耐水性に優れた素材も増えました。
牛革
牛革は、ランドセルが開発された当時から現在まで、ランドセルの定番の素材として多くのランドセルメーカーが力を入れている素材です。
牛革は耐久性に優れていて、防水加工を施すことで防水性も高まり、多少乱暴に扱っても傷がつきにくいことが魅力です。
コードバンほどではありませんが、牛革独特の風合いとツヤがあるので高級感もばっちり。
しっとりとした手触りも魅力ですね。
コードバンに比べると耐水性にも優れているので、雨が降った時にも安心して登下校ができそうです。
コードバンよりもカラーバリエーションも豊富で、メーカーによってはメーカー独自の色を開発しているところも。
使い込むほどのツヤやしなやかさが増し、体にフィットするのも特徴です。
人工皮革
以前はランドセルの素材というと牛革が定番でしたが、最近のランドセルは人工皮革が主流になりつつあります。
軽くて丈夫という特徴があり、さらにうれしいのはほかの2つの素材に比べて低価格であること。
メーカーによっては3万円台で購入できるランドセルもあるんですよ。
人工皮革というとクラリーノが有名ですが、クラリーノは人工皮革ランドセルのおおよそ7割を占るほど人気の素材。
クラリーノにも種類があり、とくに傷に強いものや耐水性に優れているものなどがあり、メーカーによって素材選びにもこだわっています。
耐久性に関しては天然皮革に劣ります。
傷がつくとそこからぱっくりと割れてしまうこともあるので、注意が必要ですね。
耐水性に関しては、ほかの2つの素材よりも高く、人工皮革がもっとも優れています。
また、高級感は天然皮革と比べるとあまり感じられないかもしれません。
ツヤや風合いはどうしても人工的に感じてしまうため、高級感を重視したいなら天然皮革がおすすめですよ。
カラーバリエーションはかなり豊富で、自分らしいランドセルを選びたい、という人は人工皮革のランドセルがおすすめ。
素材の違い
素材 | 価格 | 重さ | 高級感 | 耐久性 | 耐水性 |
---|---|---|---|---|---|
コードバン | 高 | 重い | ◎ | ◎ | ◯ |
牛革 | 中〜高 | やや重い | ◯ | ◯ | ◯ |
人工皮革 | 低〜中 | 軽い | △ | △ | ◎ |
価格だけで見ると、コードバンがもっとも高く、10万円以上のものがほとんど。
牛革は、コードバンと人工皮革の中間で、予算に合わせて購入しやすいというメリットがあります。
値段を抑えたいなら人工皮革がおすすめです。
また重さですが、密度がしっかりして丈夫なコードバンは、どうしても重くなりがちです。
できるだけ軽いランドセルを選びたいなら、人工皮革を選べば子どもの体に負担が少ないかもしれませんね。
高級感と耐久性は絶対に譲れない、という人は、コードバンのランドセルを選ぶのがおすすめです。
コードバンは使えば使うほど味わいが増し、体にもしっかりフィットするようになるので、6年間大切に使ってくれるはずですよ。
コードバンのメリット・デメリットは?
「革のダイヤモンド」とも呼ばれている最高級の素材・コードバン。
コードバンのランドセルはとくにパパママやおじいちゃんおばあちゃんに人気の素材なんですよ。
とはいえ、ランドセルを毎日使うのは子どもです。
コードバンのメリットとデメリットを把握しておくことで、本当に子どもにぴったりの素材なのかをチェックして、納得して購入してくださいね。
コードバンのメリット
コードバンのランドセルのメリットは次の3つ。
・耐久性に優れている
・上品なツヤとなめらかな肌触り
・使い込むほどに味わいが増す
最大のメリットは、コードバンだけが持つ上品なツヤとなめらかな肌触り。
ベーシックなカラーながらも、一度触れるとその上質さを感じ取れるほど、高級感を感じられます。
牛革にも高級感がありますが、それとは比べ物にならないくらいの高級感がありますよ。
またコードバンは耐久性に優れているのもメリットのひとつ。
その強度は牛革の3倍ほどともいわれています。
多少乱暴に扱っても型崩れしにくく、傷がつきにくいのも魅力ですね。
天然皮革は使い込むほどに味わいが増すのも大きなポイントです。
人工皮革は使うことで劣化が進みますが、コードバンはツヤが増し経年劣化を楽しむことができます。
小学校を卒業したあとに、財布やパスケースなどにリメイクしたい、と考える人にもおすすめですよ。
コードバンのデメリット
コードバンのランドセルのデメリットは次の4つ。
・重さが気になることも
・耐水性に不安がある
・生産数が少ない
コードバンは、1頭の馬からランドセルのかぶせ1~2枚分しか取れない、とても希少な素材です。
そのため、どうしてもほかの素材のランドセルよりも高価になってしまいます。
安くても8万円ほど、高いと15万円ほどするメーカーも。
希少な素材ということで、生産数が少ないのもデメリットのひとつです。
工房系ランドセルメーカーでは、コードバンのランドセルから完売していくことも少なくありません。
コードバンのランドセルが欲しい場合は、早めのラン活がおすすめですよ。
また、コードバンは密度がしっかりしているため、ほかの素材よりも重くなっています。
平均すると1,400~1,500gほどのものが多く、牛革と比べると200gほど、人工皮革と比べると400gほど重いことも。
子どもの体に負担がかかることを心配する親御さんも少なくありません。
ほかの素材に比べると、耐水性にも不安があります。
最近は技術が進歩し、コードバンにも撥水・防水加工施され、以前よりも耐水性が高まっていますよ。
コードバンランドセルおすすめブランド!
ランドセルの素材はコードバンにしたい、と考えていても、ランドセルメーカーが多すぎてどこのランドセルにすればいいか、調べれば調べるほど迷ってしまいます。
とくにコードバンは、工房系のランドセルメーカーが中心で、工房系でも生産していないメーカーも少なくありません。
ここではコードバンのランドセルを作っている、おすすめのメーカーをご紹介します。
それぞれこだわりを持ってランドセルを作っていので、お気に入りのランドセルを見つけてくださいね。
1. 鞄工房山本
「鞄工房山本」は1949年に創業した老舗のランドセルメーカーで、シンプルでおしゃれなランドセルを提案していると、毎年大人気となっています。
ランドセルのモデルやカラーのバリエーションが豊富で、たくさんのランドセルから選べるのも魅力。
「鞄工房山本」では、コードバンのランドセルを5種類用意しています。
ほかのメーカーでは赤と黒のみというところも多いですが、キャメルやブラウンといった人気カラーもそろっています。
2. 池田屋
1950年に創業した「池田屋」は、上品で大人っぽい雰囲気のランドセルが人気の老舗ランドセルメーカーです。
高級感があり、シンプルで飽きのこないデザインは、高学年になってもよく似合います。
「池田屋」のコードバンのランドセルは1種類のみですが、きめ細やかで上品ななめらかさを感じる表面は、まさに「革のダイヤモンド」!
防水加工を施しているため、牛革と同じようなお手入れでOKなのもうれしいポイントです。
重さも1,400g前後と、コードバンにしては軽めの設計です。
3. カバンのフジタ
1957年に創業した、山形に本社を置く老舗のランドセルメーカー。
シンプルだけど子ども心にも寄り添った、おしゃれなランドセルを提案しています。
このメーカーのコードバンランドセルは、ヨーロッパ産の素材を採用。
スレや傷に強い加工を施し、さらに強度にこだわって作られています。
デザインはとてもシンプルですが、高学年になっても飽きずに使える上品な仕様にもこだわりました。
始めはやや硬く感じるかもしれませんが、使い込むほどになめらかさも増し、子どもの成長とともに革の変化も楽しめるランドセルです。
4. 萬勇鞄
「全ての人に勇気を与えるランドセル」というコンセプトのもと、1950年からこだわりのランドセルを作り続けているランドセルメーカー。
高学年になっても飽きのこないシンプルなデザインと、計117色の豊富なカラーバリエーションが魅力です。
萬勇鞄では、男の子向けのランドセルで3種類、女の子向けのランドセルに1種類、全部で4つのコードバンのランドセルを提案しています。
コードバンなのにイマドキのデザインが施されたランドセルは、大人も子どもも満足いくこと間違いなし!
5. 羽倉(HAKURA)
かばんの街・豊岡から、大人もうらやむようなおしゃれなランドセルを提案しているメーカー。
昭和38年から続く老舗の工房系ランドセルメーカーで、羽倉オリジナルのカラーを27色も採用しているのが最大の特徴です。
羽倉(HAKURA)のコードバンのランドセルは、全3色を用意。
定番のブラック・ネイビー・ダークレッドですが、どれも上品なツヤがあり高級感をしっかり感じられます。
内装にシックなチェック柄を採用していて、さりげないおしゃれを取り入れているのもうれしいポイントです。
6. モギカバン
1929年に創業したモギカバンは、本当に良いものにこだわり、上質なランドセルを作り続けています。
シンプルながらも上品な美しさがあり、存在感のあるデザインのランドセルが魅力。
モギカバンでは、ほかのメーカーよりも多い5つのモデルのコードバンランドセルを用意しています。
とくに注目なのは、かぶせにも本体にも贅沢にコードバンを採用した、最上級のモデル。
一般的にはかぶせにのみコードバンを使っているので、貴重なことが良くわかりますね。
内張りにもアメ豚を使用したモデルもあるので、細かいところまでこだわって選んでみてくださいね。
7. 村瀬鞄行
1957年に創業した、名古屋に本社を置くランドセルメーカー。
子どもが背負いやすいことにこだわり、時代に合った改良を続けているのも特徴です。
村瀬鞄行では、2種類のコードバンランドセルを用意しています。
2つの違いは、本体に牛革を採用しているものと、人工皮革を採用しているもの。
どちらのランドセルも、傷が目立ちにくいようにマットツヤ加工を施しています。
本体に牛革を採用している「匠シリーズ」は、背当てのへりまで手縫いを施し、より丈夫に仕立てられています。
コードバンランドセルに関するよくある質問
コードバンランドセルは重いというけど…
コードバンのランドセルでもっとも気がかりなのが、重さではないでしょうか。
他の2つの素材に比べると、重いのは事実です。
素材別に比較すると、次の通りです。
素材 | 重さ |
---|---|
コードバン | 1,300~1,600g前後 |
牛革 | 1,200~1,400g前後 |
人工皮革 | 1,000~1,200g前後 |
牛革と比べると200gほど、人工皮革と比べると400gほども違うとなると、重さで躊躇してしまう人もいるかもしれませんね。
しかしこの重さの差は、教科書1冊~2冊分程度で、背負ってしまうとあまり気にならないというケースも。
ランドセルは重さよりも背負い心地を重視したほうが良いという意見も多く、より軽く感じる工夫や肩への負担を軽減するベルトが採用されているかなどを、チェックしてみるといいでしょう。
コードバンのお手入れ方法は?
牛革のランドセルで一番気になることといえば、その重さですよね。
小学1年生にとっては数百グラムの差でも気になってしまいます。
確かに牛革は人工皮革に比べると重いですが、その差は教科書1冊分程度。
背負ってしまうとさほど気にならないという人がほとんどです。
ランドセルの実際の重さよりも、背負いやすさや軽く感じるかどうかを重視したほうが、子どもの体の負担になりにくいのでおすすめですよ。
牛革にも種類があるの?
耐水性に不安があるコードバン、お手入れ法が難しいのでは? と心配している人もいるでしょう。
しかしコードバンのお手入れは、特別なことをする必要はないのでご安心を!
コードバンのランドセルのお手入れは、牛革のランドセルとほとんど同じでOKです。
- 水に濡れたら早めに乾いた布で拭くこと
- 定期的に乾いた布でほこりや指紋を拭き取ること
たったこれだけで良いんです。
あまりに汚れが気になる場合は、かたく絞った布で拭き取ったあと、乾いた布で拭きましょう。
ひび割れが気になる場合は、専用のクリームやオイルでお手入れをするのがおすすめです。
夏休みなど長期休みに行う習慣をつけるといいかもしれませんね。
どんなケアアイテムを使えばいいか迷ったら、購入したメーカーに問い合わせてみるといいでしょう。
コードバンランドセルはどんな人におすすめ?
コードバンが上質な素材のことは分かったけど、どんな人におすすめなのか、というのも気になるポイントです。
コードバンのランドセルは、次のような人におすすめです。
- とにかく高級感のあるものを持たせたい
- 傷に強い丈夫なランドセルが良い
- 経年劣化を楽しむなど、子どもにも愛着を持ってもらいたい
- 子どもにも本当に良いものを知ってほしい
- 小学校を卒業後、リメイクを考えいる
値段は高くても良いから、長く使える高級感のあるものが欲しい、という人は、ぜひコードバンのランドセルを選んでみてくださいね。
まとめ
コードバンというと、高級でなんとなく子どもに持たせるのはちょっと……と思うパパママもいるかもしれませんが、その手触りや見た目の上質さに触れると、その良さを実感できるはず。
重さはやや気になるところではありますが、各メーカーはできるだけ軽く感じるように工夫を施しています。
コードバンのランドセルは、どのメーカーも完売時期が早い傾向にあります。
なかには販売開始後すぐに完売してしまうことも!
人気のメーカーになればなるほど、完売時期が早くなるようですね。
コードバンのランドセルを検討している人は、販売時期をチェックするなどして、早めにラン活を進めてみてくださいね。
コメントを残す